手斧と旋盤
前回、私の愛用している手道具として鉋とノミをご紹介させていただきましたが、
それらの道具は角材を主体とした和の家具での使用が中心でした。
今回は西洋の家具であるウィンザーチェアの製作で主に使用する手道具をご紹介したいと思います。
【手斧】
「ちょうな」と読みます。
ウィンザーチェアの座面を掘るのに使用します。
元々は臼を掘るためのものでですが、座面掘りに非常に適しています。
イギリスで18世紀頃に作られていたウインザーチェアは、
この手斧の取手部分が長くなったようなもので、地面に置いた座面を足で押さえて掘られていたようです。
【もった】
手斧によく似ていますが、刃幅が広く角度が急ですので、座面掘りには向いていません。
座面の底面の面取りなどに使用します。
【木工バイス】
ウィンザーチェアの足などをならい旋盤でおおまかに削ったあと、
細かい部分の仕上げに使うことが多いです。
刃先はノミと同様ですが長さがあるため研ぐのが難しいです。
【木工ならい旋盤】
鉋とノミ
しばらく更新が停滞しておりました。久々の投稿です。
今回は私が愛用している手道具達をご紹介します。
【ノミ】
私が木工の仕事を始めたときに新品購入したもので、
もう10年の付き合いになろうとしています。
初めのころは上手く研げず、丸くなってしまった刃先を必死に直したことを思い出します。
主にロッキングチェア、ローアームチェアなどのホゾやホゾ穴加工に多用しますが、
木工加工全般に使います。
現在は仕事をするにあたり申し分ない状態で維持できています。
【鉋】
上から寸八と寸六、右下が豆鉋。
残りが反り鉋で豆鉋の台を特定のRに加工したもの。
寸六は2代目で初代は度重なる台直しにより口が開きすぎたため、
埋木をして別用途で使用しています。
この2代目寸六も研ぎによりだいぶ刃が短くなってしまいました。
寸八は比較的新しくおろしたもので、テーブルなどの広い面に使用します。
豆鉋はほぼ面取り用。
反り鉋は主にロッキングチェアの背板やアームの曲面用で、
曲面でも平面と同等に仕上げます。
【砥石】
最後に砥石です。
左の赤いほうは荒砥でホームセンターなどで普通に手に入るものです。
ノミも鉋もはじめはこれで研ぎます。
これは何個目なのかは定かではありませんが、相当数を薄くなるまで使いました。
上に見える薄い板がその一部ですが、小さい刃物を研ぐために再利用しています。
右が仕上げ砥で天然砥石です。
黒い研ぎ汁がすじになるくらいまで研げば切れ味は申し分ありません。
以上、鋸や玄翁など他にも手道具はありますが、
これらが無いと仕事にならないというくらい
特に重要なものをご紹介させていただきました。
鉋に聞く
元来鉋は木の凹凸を無くして、平面にするためのものです。「鉋に聞く」とは簡単にいうと、凹凸の具合を刃の当たりで判断するといったところでしょうか。
角棒なんかは、鉋に聞きつつ目視で判断できてしまうのですが、ウィンザーチェアのシートに使う板は600×600くらいなので、どこがでっぱっているのか、へっこんでいるのかの判断が目視では難しいです。こういう時は、「鉋に聞く」しかありません。そして、刃の当たり具合から、板の凹凸をイメージして削っていきます。まあ、大型の自動鉋盤があれば、有無を言わさず平らにできますが、ウチは零細企業なので、せいぜい幅300程度までですね。
高度な機械が無いと出来ないと思ってしまいがちですが、昔の人は皆、これでやってきたわけなので、出来ないというのは、退化?なので、頑張って進化していきたいと思います。
鉋がすべての基本
しかしその際、鉋を研いでみて分かったことがありました。
全くまともに研げていない!
「もった」と「臼堀釿(うすぼりちょうな)」
今回はウインザーチェアの製作記でも幾度となく登場している「もった」と「臼堀釿(うすぼりちょうな)」についてです。
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